あれはパーマをかけたくてかけたくてしょうがなかった二十代前半
意気揚々と美容室へかけこんだ初夏の頃
美容室から出てきた男性
僕は思った。
「あいつやっちゃったな」
それはあきらかに失敗パーマ
「ぷぷっ」
友人といた僕はあれはないな、と少し談笑した。
席についた僕は美容師に言った
「キムタクの感じで」
三時間後
僕は先程の男性とほぼ同じ髪型になっていた。
鏡の前にいたのは関西のおばちゃん風の僕
僕はつぶやいた
「顔か……」
かえりに市販のストパー剤を買った。
いつもよりも襟をたてそそくさと家路についた。
いまでは口癖になった
「パーマ…ちょっと弱めで…」
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